えばーずらいん

時よ止まれ 君は誰よりも美しいから
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明日の君と逢うために 小夜ルート SS 

ついにやってしまったというべきですかね・・・・・

ネタ自体はプレイ後すぐに思いついていたのですが、書くだけの時間とモチベーションがなかったため、なかなかやり始められませんでした。

で、今回の休みでついでにやってしまおうと(オイ

つたない文章ですが今出せる力で書ききったつもりです。


[注意]

こちらの『自作小説について』『SSについて』の項目をお読みのうえ同意された方のみお願い致しますm(_ _)m

ネタばれを多分に含みます。
未プレイの方はご注意くださいm(_ _)m

では[続きを読む]からどうぞ



『明日の君と逢うために』小夜ルートanotherSS

         ~Feel Link ~



流れ続けた時間―――
止まり続けている時間―――

わたしは、“また”時計を止めてしまった。


薄暗い森の中を歩いていく。

気がつけば、いつものように探し続けていた。


入る前に雲に覆われていた空は、ついに泣きだしてしまった。
木々の間から落ちる雨が、髪を湿らせていく。
濡れた服が肌にぺっとりと張りついて、とても不快だった。

「重い」
纏わりつく水のせいなのか、それとも・・・・・・

一筋の雫が頬つたって口に入った。
喉が鳴る。
渇いた喉は切なく、熱かった。


「修司」
わたしに新しい繋がりをくれた人の名前。
わたしの大好きな人の名前。


最後の言葉がまだ耳に残っている。
あの声が――
あのぬくもりが――


もう、あの優しさを感じることはできないのだろうか。
もう、この寂しさをうめることはできないのだろうか。
「修、司・・・・・・」


『小夜』
「!?」
誰かに呼ばれた気がした。
とっさに振り返る。
でも、
誰もいない―――
いるはずがない―――


もう、ひとりには耐えられない。
プツリ、と音を立てて糸が切れた。


   ――――――■■■――――――


一年前、わたしは修司をおいて、神様達の住む“むこう”の世界に行こうとした。
姉さんに会うために。
“むこう”に行ってしまった姉さんに会って、10年前に言えなかったことを伝えるために。

戻れる可能性なんてない。
そんなことはわかっていた。
それでも、わたしはこの胸に残ったままの気持ちを抱いたまま、前に進むことはできなかった。
修司と、一緒に歩んでいくことはできないと思った。

「それなのにアイツは―――」

『なら、俺が行く!咲さんを連れて、絶対に戻ってくる!!』
それが、修司の最後の言葉だった。

“むこう”へ行こうとしたわたしを引きとめたと思うと、そのまま振り切って行ってしまった。


「バカ・・・・・・ 戻ってこれるはずなんてないのに」
でも、それはわたしも一緒だ。
わたしが姉さんを探しに“むこう”に行っていれば、こうしているのは修司だった。
わたしは過去を引きずって、大切な物を失ってしまった。
わたしは前に進もうとして、結局、何も変わっていなかったんだ。


時計を――
やっと動き出した時計を止めてしまったんだ―――



(こ、こは?)
やわらかくて、あたたかい。かすかにする懐かしいにおい。

「あ、小夜ちゃん? 里佳ちゃーん 小夜ちゃんが起きたよ!!」
(この声は・・・若宮?)
「ん、ううん?」
誰かが走ってくる音が聞こえる。
「小夜!大丈夫!? いま直輝を呼んでくるから。 明日香。少しの間、小夜をお願い」
(里佳??)
「わかったよ!」
私は眠っていたみたいだった。

「ん、う、こ、ここは・・・・・・? 修司の、家? そうだ!修司。修司は?」
「小夜ちゃん、落ち着いて。小夜ちゃんは森でたおれてたんだよ。たまたま、散歩に出たあたしが見つけて・・・・・・」
若宮はとても気まずそうだった。

「そ、そうか。すまない」
「ううん。なにより、無事で良かったよ」
若宮の顔から力が抜けるのがわかった。
本当に心配してくれていたらしい。
「わるい、面倒をかけたな」
「あ、駄目だって。直輝先生が来るまで大人しくしてないと」
そう言って、わたしが立ち上がろうとするのを止めた。
ベッドに座りなおす。

窓の外ではまだ雨が降っている。

「若宮」
知らず、声をかけていた。
「ん?」
「修司は戻ってくると思うか?」

バカだな。私は―――

「ごめん、わからないよ。森にあった“むこう”への扉は閉まってしまったし、神様だってもういない」

そんなことはわかっている。
わかっているけど。

「でもね、小夜ちゃんが想い続けている限り、シュウ君はきっと戻ってくるよ」
「わかったようなことを!」
窓の外が光って、大きな音がした。
自然と体がこわばる。

やっぱり・・・わたしは変わっていない。
もう、これ以上失うものはないというのに。

「わかるよ。あたしが“むこう”から戻ってきたのだって、シュウ君が7年間もあたしを忘れないでいてくれていたからだと思うの。」

痛い。
帰ってこれた若宮への嫉妬なのだろうか。
帰ってこない修司への想いなのだろうか。

若宮なりに慰めてくれているのだろう。
それでも、わたしの心は晴れることはなかった。
ただ、これだけはわかる。
むこうへの扉は閉じてしまっていて、この島に神様はもういない。
願いをかなえてくれる神様はいない。


私の願いは。
修司に逢いたいという願いはもう叶うことはないのだと。



    ――――――■■■――――――



翌日。
今日も私は森に来ていた。
まだ、雨は降り続けている。
傘など持たず歩き続けた。

もう逢えないとわかっていながらも、足を向けなかった日はなかったと思う。
あれから流れ続けている島の時間。
あれから止まり続けている私の時間。

『小夜―――』
残り続ける声。
消えない想い。
逢いたい――
修司に逢いたい。
冷え切った体をあたためて欲しい。

足が止まる。

そこに姉さんという言葉が出なくなったのは、いつからだろうか?
決して、姉さんに会うのを諦めたわけじゃない。
でも、姉さんに会えないのはずっとわかっていた。
じゃあ、修司は姉さんの代わり?
違う。
姉さんへとは明らかに違う好きの気持ち。

わたしにはかけがえのない存在だった。
そんなことは、もうとっくにわかっていたはずなのに。

「じゃあ、なんでっ!!」
なぜ、修司をおいていこうとしてしまったのだろう。
なぜ、修司を行かせてしまったのだろう。

後悔だけが体を支配した。
悲しみが胸を締め付ける。

『小夜――』
「修司!?」
また、聞こえる声。
いるはずがない。
戻ってこれるはずがない。
わたしの愛しい人は“むこう”へ行ってしまったのだから。


『小夜――』
聞こえる。
あの人の声が。
消せるわけなんてない。
今も、ずっと残り続けている。
「う、うるさいっ!」

走り出した。
体は重いままだ。
濡れた靴が軋む。
痛い――
それでも止まろうとはしなかった。
修司のいない世界を考えたくはなかった。
想い出だけが残り続ける世界を感じたくはなかった。

雫が跳ねる。

「あっ、っつつぅ――」
木の根に足を取られて、倒れこんだ。
それでも、なんとか体を起こす。
けど――
痛い。

足も
腕も
喉も
体も
そして心も
もう限界だった。

「うっ、ううっ、修司っ・・・・・・」
なぜ、戻ってこないのか。
なぜ、そばにいてくれないのか。

私には修司がいないとダメなんだ。
「なぜ、なぜ・・・・・・」

また聞こえる。
「小夜――」
「いやだ。聞きたくない!」



そのとき、
フッとあたたかいものが体を包んだ。


忘れない。
忘れられない。
忘れたくなんてない。
この腕のぬくもりを、この優しさを。


ずっと、待っていた―――


「ただいま、小夜。もう、大丈―――」
「この、バカ!!」
私は振り向いて、修司の胸に思いっきり顔をうずめた。

「うぁあああっっ、修司っ、修司ぃっっ!」

あふれる―――

「っく、もう、あ、逢えないと・・・・・・
っっ、逢ひっ、たかった。
ずっと不安で、ずっと、寂しくて・・・・・・」

よくわからない―――
そして、とまらない―――

顔を上げる。
いつからか見つづけていた。
どうしようもなくバカで。
お人好しで。
おせっかいで。
ふざけているようで。
ケダモノで。


でも、もったいないくらい優しくて、あたたかくて―――
わたしのいちばんたいせつなひと。

「ひっく。でも、ど、うしようもなくて。
ずっと一人かもしれないって・・・・・・こんなに好きなのに、大好きなのに。でも・・・んんっ!?」


言葉が消えた。
口が紡がれたことに気付くまでしばらく時間がかかった。

「んっ、ぅんん」
こころがとろけていく。
すこしずつ、すこしずつ、時計の針が動き出していく。

「んっ、はぁ、はあ・・・・・・」
唇を離す。
顔の熱が、熱い息が、お互い頬をかすめていった。


「修司、おかえり」
わたしはかすれた声で、熱くなった喉で、そう言いきった。
「ただいま、小夜。でも、咲さんは――」
背中に手を回し、少し強引に修司を引き寄せる。

「わかってる。帰らないのだろ?姉さんはそういう人だ」
「うん。でも、咲さんが小夜に伝えてくれって」
「ああ、どんな?」

「『幸せを掴んで。あなたは、きっとできるから・・・・・・
 そして、好きよ、小夜。いままで、ありがとう』」

本当に姉さんらしい。
「なら、オマエがいないと姉さんとの約束が守れないじゃないか」

わたしは少し抱きしめる力を強めた。
こんな真っ赤な顔見られたくなんてない。

自然とむこうも力を入れてくる。
「ああ、これからは、ずっとそばにいるよ。どこにも行かない」
「うん」
胸の中で首を動かし返事をした。



ぬくもりを分かち合う、そんな幸せをわたしは掴んだんだ。
何度も諦めようとした。でも、好きだって気持ちは捨てられなかった。



「小夜、好きだ」
「わたしは、オマエなんて好きじゃない」
「えっ?」



困惑した声。
これだから、いじめがいがある。



「わたしは、修司のことが大好きだ」



『自分に正直になった方がいい』
あの子供みたいな神様は私にそう言った。



わたしはこの想いを信じていこう。



修司の音が聞こえる。
――とくん、とくんと優しいオト
秒針のようにゆるやかに、けれど、とてもしっかりとリズムを刻んでいく。
そしてわたしも―――

時計の針はもう止まらない。
過去は振り返らない。
このまま、ずっと一緒に過ごしていこう。
ずっと、歩み続けていこう。

わたしの居場所はこの人のとなりなのだから。


Fin  






~あとがき~
読んでくださってありがとうございますm(_ _)m

ファンの方にはホントごめんなさいとしか言えないですが、これも私ですので(マテ

御意見、御感想お待ちしております。



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