えばーずらいん

時よ止まれ 君は誰よりも美しいから
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感想 レビュー: 姑獲鳥の夏 

姑獲鳥(うぶめ)の夏 (KODANSHA NOVELS)姑獲鳥(うぶめ)の夏 (KODANSHA NOVELS)
(1994/09)
京極 夏彦

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[あらすじ]
梅雨も明けようという夏のある日、『関口巽』は、古くからの友人である『中禅寺秋彦』の家を訪ねるべく眩暈坂を登っていた。
中禅寺は古本屋『京極堂』の主人であるが、家業は宮司であり、さらに副業として憑物落としも行っている。人間の心の奥に潜む負の感情に妖怪の名前を付け、自慢の長広舌で以ってそれを言葉巧みに祓うのである。
関口は最近耳にした『久遠寺家』にまつわる奇怪な噂について、そのような京極堂ならば或いは真相を解き明かすことができるのではないかと考えていた。

関口は切り出す。
「二十箇月もの間子供を身籠っていることができると思うか」


京極堂は驚く様子もなく、
「この世には不思議なことなど何もないのだよ」
と返した。

その後、妊婦の消えた夫や代々伝わる久遠寺家の憑物筋の呪いについて、人の記憶を視ることができる超能力探偵・榎木津礼二郎や京極堂の妹である編集記者・中禅寺敦子、東京警視庁の刑事・木場修太郎らを巻き込みながら、事態は展開していく。

さらに、この事件は、持ち出した関口自身の過去とも深く関係していた。


[総合感想]
まさにミステリ・ルネッサンス
圧倒的な吸引力を有する京極ワールドへの招待状
物理的に精巧に構築されたトリックではなく、登場人物の心理が絡み合って発生するトリック
京極堂の語りが作り出す世界観に嵌ってしまったら、払い落とすのは至難の業ですよ

さて、百鬼夜行シリーズ 第 1 作目。
シリーズに共通する構成として、登場人物たちの事実の認識のすれ違いから起きる不可思議や妄想を、中禅寺秋彦が妖怪という形に落とし込み、それを憑物落としという形でそれぞれの登場人物に解答を与えるという独特のスタンスを取っております。

つまり、人の思い、考え、色々なものが交錯して起こってしまった非常に不可解な事件を、憑き物を落とすように京極堂が解いていく。読んでいる途中では、あたかも妖怪や怪異の仕業じゃないかって思ってしまうほどの不可思議が連発されます。でも、実際は不思議なことなんて何も無く伏線が回収される。これがまた上手いんですよ。

確かに、トリックの技巧のみに焦点を絞った場合、推理小説と呼ぶにはいささか荒唐無稽すぎますが、犯罪を起こすまでの筋道や心理描写は非常に面白いです。例えば、どうやって殺したかよりも、なぜ殺したかを非常に大切にしている印象を受けました。

トリックのつくりだけを期待して、一歩引いて読むと面白さは激減するでしょうね。京極堂がこの作品に対して、どのような心構えで接していけば良いかを手ほどきしてくれるので、それにどっぷりと浸ると非常に楽しめます。

雰囲気を、世界観を
彼ら彼女らの心に憑くものを感じ、引き込まれて欲しい
そして、京極堂の憑き物落としの真髄に触れて欲しい



ネタバレ全開の解説動画です






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