えばーずらいん

時よ止まれ 君は誰よりも美しいから
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感想 レビュー:絡新婦の理 

絡新婦の理 (講談社ノベルス)絡新婦の理 (講談社ノベルス)
(1996/11/05)
京極 夏彦

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[ひとこと]
伝奇ファンにはお勧めの一作

レギュラーメンバー総出演!
事件の舞台は女系家族の屋敷と女学園!!
張り巡らされた血統の謎!!!

こいつは伝奇ファンを悶えさせるつもりだろう




[あらすじ]
刑事、木場修太郎は、近頃世間を騒がせている目潰し魔の捜査に奔走するうち、榎木津との共通の友人で映画会社を経営する川島新造が何らかの手がかりを持っているのではないかと踏む。



聖ベルナール女学院の生徒、呉美由紀と渡辺小夜子は、学院内に飛び交う少女売春の噂話を追ううちに、望めば人殺しさえ行う悪魔・蜘蛛と、それを崇拝する蜘蛛の僕の存在を知る。

そんな時、美由紀らはかつて蜘蛛の僕の一員であったらしい麻田夕子と接触する。そしてある事件の夜、美由紀は女物の着物を羽織った黒い聖母を目撃することとなる。



伊佐間一成は、釣りに訪れた房総半島の興津町で呉仁吉という老人と意気投合する。漁師であった彼の収集物の価値を精算すべく伊佐間は、旧知の間柄である今川雅澄を招請する。

折りしも近在の旧家、織作家の大黒柱、雄之助の葬儀の最中であり、織作家の使用人である出門耕作から「ついでに、残った骨董品の精算もしてもらいたい」と請われ、今川と伊佐間は連れ立って蜘蛛の巣屋敷と渾名される織作の屋敷へと赴く。

そこで今川と伊佐間は聖ベルナール女学院の理事長を務めている織作是亮が女物の着物を纏った人物に絞殺される現場に遭遇し、織作家の事件に巻き込まれてしまう。



奇妙な符合点を有する目潰し魔と絞殺魔の事件。
しかし、どこか違和感を感じる未知の偶然の連続。

これらの事件を操る真犯人とは!?




以下、内容に触れています。




[感想]
面白い!!非常に面白い!!!



まず、伝奇好きにはたまらない要素が多い。
事件の舞台が女系家族の屋敷と名門ミッション系の女学園ということで、とりあえずわくわく。
出生や血統を絡めた複雑な背景と、それを活かしたシナリオにもわくわく。
なんだろう、設定を聞いただけでトキメキが止まらない。




そして、レギュラーメンバー総出演なのは本当にテンションあがりました。
また、本作以前の姑獲鳥、魍魎、狂骨、鉄鼠の 4 作品とも絡みを持たせているのも良かった。
まるで過去 4 作品を受けたファンディスクのよう。
全員に役割がある伝奇は間違いなく神シナリオなんだぜ。




目潰し魔と絞殺魔という別の事件のはずなのに奇妙な符合を持つ 2 つの事件が段階的に解明されていき、最終的には両事件を操る真犯人に至るものです。一見、都合が良すぎるような偶然の集積が、事件を次のステップに進めていくわけですが、心理面への働きかけで、全キャストの行動を強制する真犯人の計画が面白すぎた。


個々の登場人物に(違法ではない)意図的な刺激を与えることで、個々の登場人物の行動をある程度限定する。

なぜ殺したか。なぜ事件を起こしたか。普通の人物なら自発的に起こしたと(自分で)考えていることが、実はそうなるように思い込まされていたら。。。

そして、それらの行動が自発的にネットワークを構築して事件を連続的に産出するようなシステムが構築されていたとしたら。。。

それらの事件が集積して最終的には、(詳細は違ったとしても)強制的に真犯人が設定したテーマに行き着くとしたら。。。


そう、これら全てが蜘蛛の巣の上の出来事なのである。


都合が良すぎると言ってしまえばそこで終了する心理的トリック。
でも、クラシックな推理小説ファンでなければ面白さを感じることができるのではないでしょうか。

特に伝奇ファンにお勧め。

しかし、楠本頼子(魍魎の匣)の時もそうでしたが、なんで京極夏彦はこんなにも女学生を描くのが上手いんだろうねww





女性は本当に恐ろしく、そして強い。

泣きながら笑い、笑いながら泣く。

妖しく、美しい、その立ち振る舞い。

彼女達の本当の意地を男は決して理解できない。

この作品はそれを教えてくれる。





満開の桜の下の、朽ち果てた墓石の前で、女の視野はただ舞う花びらを捕らえている。
そして、静かに、毅然として云った。

『それが―――絡新婦の理ですもの』




*ネタバレ注意
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