えばーずらいん

時よ止まれ 君は誰よりも美しいから
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【感想 レビュー】 九つの、物語 

九つの、物語 (集英社文庫)九つの、物語 (集英社文庫)
(2011/02/18)
橋本 紡

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[あらすじ]
大学生のゆきなの前に、長く会っていなかった兄がいきなり現れた。

女性と料理と本を愛し、奔放に振舞う兄に惑わされつつ、ゆきなは日常として受け入れていく。

いつまでもいつまでも幸せな日々が続くと思えたが。

ゆきなはやがて、兄が長く不在だった理由を思い出す。

人生は痛みと喪失に満ちていた。

生きるとは、なんと愚かで、なんと尊いのか。

そのことを丁寧に描いた、やさしく強い物語。




以下、内容に触れています。




[感想]
許すこと、それが人生を楽しむためのエッセンス


おとなしくてマジメで地味系の妹・ゆきなと、おしゃれで女の子が好きな優男の兄・禎文の物語。兄が幽霊として存在している (物語冒頭で発覚するため伏線でもなんでもない) 以外は、いたって普通のシナリオです。穏やかな日常、兄妹のコミカルなやりとり、ゆきなと禎文お互いの恋愛事情など、愛すべき日常、時にシリアスなシーンがゆきなの視点で語られていきます。


ゆきなの心情を的確に映すように章ごとにピックアップされる有名な作家達の名作、それらから引用される名シーンが非常に印象的。また、同じ風景なのに、それを見るゆきなの心情によって全然違う印象を与える描写の上手さが良かった。川辺のシーンなんて物語の前半と後半で全然違う。とにかく、非常に分かりやすく、ゆきなの繊細で真摯な心の機微を描ききっているのが上手い。


ただ、文章は分かりやすいけれど、テーマに対する答え?は見つけにくい。そして、それが橋本紡さんの物語の良さだと思う。言葉にはしにくいけれど、この読後感は読んだ人しか分からない。漠然とだけれども、温かくて、切なくて、色々感じれると思う。

つらいこと、納得できないことも色々あるけど、非常に楽しい。

そんな世界で揺れていた女の子が、『この世界はあやふやで不安だらけだけど、前向きにいってみよう』と思えるようになった過程を楽しんだらいいんじゃないでしょうか。


さて、第八話、川辺での兄妹のやりとりは非常に多くのことを感じさせてくれました。
何かを得て、何かを失いながら私達は生きていくのだろう。
とりあえずは、それを精一杯、だけど気張りすぎずに楽しんでみようじゃないの。

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