えばーずらいん

時よ止まれ 君は誰よりも美しいから
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【感想】 Another (下) 

Another(下) (角川文庫)Another(下) (角川文庫)
(2011/11/25)
綾辻 行人

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[著者]
綾辻行人


[カバーイラスト]
遠田志帆


[ひとこと]
学園ホラーとミステリの融合
そして、青春時代における少年の精神的成長も。


設定はホラーなのに本格ミステリのような伏線回収。

論理的とは言えない、超自然的に発生する現象をあなたはどこまで受容できるか。

さらには少年少女、特に主人公の心理描写をどこまで感じられるか。

多分私は綾辻行人の敷居を広げる一作に、呪われたに違いない。



[あらすじ]
不思議な少女・見崎鳴とともに謎を追う恒一。
奇妙な二人だけの孤独と自由を過ごす中で、恒一と鳴、二人の距離は徐々に縮まっていく。

第二図書室の司書・千曳の協力を得つつ、現象の謎を探りはじめるが、核心に迫れないまま現象は続いてゆく。

そして夏休み、運命のクラス合宿で彼らを待ち受ける真実とは!? 




以下、内容に触れています。




[感想]
Another 完結 !!



上巻で散りばめられていた何気ない違和感が伏線として回収される展開は非常に良かった。さすが本格ミステリ作家というところでしょうか。ホラー要素がメインの作品ではありますが、ミステリ作品における真犯人探しのような要素もあり、それが非常に上手くて楽しめた。

上手いこと著者の誘導に掛けられたような気がします。<反転>見崎鳴が怪しいと疑って上巻の前半を読み終えた時には、すでに書き手に騙されていたわけですね。</ 反転>完全に盲点でした。

最も重要な伏線に関しては、正しい見方を知るまで、読み手は違和感の数々を物語の判断材料としてではなく、違和感としてしか持ち得なかった。それを演出できる綾辻行人はミステリ作家として本当に凄いんだろう。彼の作品は、まだ本作しか読んでいませんが、これは館シリーズも期待できる。



しかし、あくまで学園ホラー。三年三組の怪現象が何故起きているのか、どうしてそのようなことになっているのか、という点に関しては『起きているのだから仕方ない』というスタンスで完結。トリックのように明確な原因があったり、現象を起こしている真犯人が要るわけではありませんでしたね。

そのため、単純なミステリーとしてではなく、あくまでメインはホラーものだと思って読んでみると面白いと思う。同氏の館シリーズのように事件の推理を楽しみたい人は注意。



一方、少年少女の心理描写が青春小説のように感じられもする。

徐々に親しくなる恒一と鳴は、恋愛とは違うかもしれないが大切な関係を築けたようにも見える。

また、恒一自身もこの理不尽な現象を通じて成長したようにも感じられる(<反転>母親と母親に似た叔母との死別を受け止めるという点です。死者として叔母が出てきたということは、恒一が母親や叔母の死を割り切れてなかったのではないかということの表れだと考えずにはいられない。それを殺したということは、死別に対して向き合ったのではと思う</ 反転>)



物語を構成するジャンル的な要素。メインはホラー、そしてミステリ、学園、青春。何か一つを(特に本格ミステリ)期待して、個別の要素から作品を見ると物足りなかったりするけれど、複数のジャンルが融合したような作品と捉えると、非常に楽しめると思う。

綾辻行人のミステリ(館シリーズ)入門書とは違うけれど、綾辻行人が力のある作家と認識され、読者達に他の作品も面白いんじゃないかと思わせる『とっかかり』としても非常に良い作品ではないでしょうか。


特化型の作品のようなツボへのハマリ方はなかったですが、非常に面白かったです。色々と楽しめました。そういう意味では、この作品のマーケティング的な意図に完全にハマったんですかね(笑)

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